山の神は 〔支配・信仰・女神〕

山を支配する神。

全国にみられる民間信仰で、多くの土地では山の神は女神だという。

しかし男神という所もあり、また夫婦神としている例もある。

山の神を女神としている地方では、この神は容貌がよくないので嫉妬深く、女人が山に入るのを好まないという。

山の神信仰については、山仕事をする木こり、炭焼き、狩人などと、農作をする人々との間では多少の違いがある。

農民の信ずる山の神は、春先山から下り田の神となって田畑の仕事を助け、秋の収穫が終わると山へ帰り山の神となるという。

山仕事をする人々は、山の神が田の神になるというようなことはいわない。

山の神の祭日には山へ入ってはならぬという。

この日山の神は山の木を数えるとか、木を植えるとかいう。

祭りは7日、9日、12日などまちまちであるが、東北地方では多く12日で、山の神を十二様とよんでいる。

十二様は女神で1年に12人の子を生むという。

これにちなんで山の神の祭りには12個の餅を供える。

山の神は祭りに女子が参加することを好まないという。

津軽地方では山小屋に12人の者が入るのを嫌ったり、物をそろえる場合など12という数を避けるようにしている。

山の神への供物は全国を通じて粢、餅などがあるが、とくに神の好むものとして海オコゼという魚がある。

山の神への供物を女が食べると気の荒い子が生まれるといわれている。

神奈川県から山梨県へかけて正月21日の行事に、山の神の冠落としといって、篠竹で弓矢をつくり山の神に供える。

この日山の神が狩りをする。

神は冠の落ちるのもかまわず弓を射るので、その矢に当たるかもしれず危険で山へは行けぬという。

九州博多地方では、旧暦12月24日を山の神の洗濯日といい、その日はやはり山へ入るのを遠慮するという。
update:2010年03月16日